ぶうは17度目の秋を迎えることができた。 今回は、無事にとは言えない。まず、白内障の進行で目が全く見えなくなってしまった。あんなに好きだった散歩にも行くことができない。外へ出ると怖くて震えてしまう。 そして、ぶうはもうわたしのことが分からなくなってしまった。久しぶりに会ってももう喜ぶことはない。ぶうはほとんど眠ってばかりいる。 神様はずるい。いつの間にかぶうを半分連れて行ってしまった。 そして、神様は優しい。少しづつ諦めをつけさせてくれるから。 それでも食べるのが好きだったり、ぶうらしいところはまだ残っている。きっと18度目の春を迎えることができるだろう。あんまり贅沢を言うのはやめておこう。わたしが来ても特に喜ばないのは、ひょっとしたらずっと一緒にいるような気がしているからかもしれないし。 |