ぷにが死んだ。 享年何歳だったか分からない。うちに拾われてきたときにはもう大人で、獣医さんによれば、3歳以上としか言えないということだった。ガリガリに痩せていて、顔ばかり大きかったのを憶えている。 彼はとても気のいいヤツだった。 世界が公平だなんて思ったことはないのだけれど‥‥。
わたしは神も天国も信じない。彼とはもう二度と会えないのだと思う。だからこそ、一緒にいられる時間を大切にしなければならない。ぶうを膝に乗せて考えながら、それでもたぶんそんなことはできはしないとも思う。できるのは、かけがえのない一瞬を浪費しながら生きてゆくことだけなのだろう。
さよならぷに。もう会えないと思うけど、万が一、あの世で会うなんてことが許されたなら、わたしの浅知恵を笑っておくれ。でも、そんなときでも、きっと彼は、ただきょとんとした顔で見上げてくれるのだろうな。