パグを知る者には、パグの食欲が極悪であることは常識である。ぶうも例外ではない。食事をするときは、のどを鳴らしながら実においしそうに食べる。食べ終わるのはあっと言う間だ。いくらでも食べさせてやりたいと思うのだが、そうもいかない。体重管理は悩みの種である。一心不乱にご飯を食べた後は、とことこと人間のいる方へ歩いてくるのだが、ぶうは決まって途中で立ち止まる。くるりとUターンして食器の方へ戻り、しきりににおいをかいだりなめてみたりする。食べ残しがないか確認しているようだ。
極悪な食欲は、自分の食事の時だけに発揮されるわけではない。人間がなにかを食べようとすると、眠りこけているように見えるときでさえすばやく察知しておねだりのポーズを取る。 |
もらえないと、前傾が強くなる。それでももらえないと、鼻とのどを鳴らしながら、おすわりをしたままでにじり寄ってくる。 |
ついには、手が人間の足にかかる。この段階でなにかをせしめないことはほとんどない。困ったものだ。 |